C63S Eパフォーマンス(w206)
【C63 S E …
メルセデスAMG C63 S E Performance(F1 Edition)を新車から所有し、走行6,000 kmで一度経験した「インジェクター不具合」。保証で1本を無償交換して以来、しばらくは快調でした。ところが走行約12,000 kmで、同じ症状が再発しました。
前回は「1本の初期不良」で片づいた話ですが、今回は少し様子が違います。この記事では、再発時の症状・発生条件・ディーラー対応、そして「なぜ繰り返すのか」という原因の考察までを、オーナーの実体験としてまとめます。同じ車に乗る方の参考になれば幸いです。
▶ 前回のインジェクター不具合の経緯はこちら:【C63 SE パフォーマンス】走行6,000 kmで発生したインジェクター不具合と無償修理の実体験
再発した症状 ― 3,000回転付近の「息継ぎ」から警告灯へ
もともと気になっていたのは、3,000回転あたりの加速でのわずかなガタつき(息継ぎ)でした。特に5速以上でアクセルを踏み込み、負荷がかかったときに出やすい感覚です。
今回はその3,000回転付近で、ついにエンジン警告灯(チェックランプ)が点灯。同時にアイドリングが不安定になりました。前回と大きく違ったのが、エンジンを再始動すると症状が消えて元に戻るという挙動です。走行にすぐ支障が出るわけではないものの、条件がそろうと再び顔を出す――そんな出方でした。
前回との切り分け ― 失火する気筒が「移動」していた
今回いちばん引っかかったのが、前回は4番気筒だったのが、今回は1番気筒で失火エラーが出たこと。失火する場所そのものが移動しています。
前回の切り分けでは、点火系のイグニッションコイルを入れ替えても同じ気筒で失火が続いたため、コイルはシロ=インジェクター側と判断された経緯があります。その流れを踏まえると、今回は「新品に替えたはずのインジェクター系の症状が、今度は別の気筒(1番)で再発している」ことになります。これは単なる「1本の初期不良」だけでは説明しづらい出方です。
ディーラーの診断と対応 ― 2回目のインジェクター交換へ
入庫後、ディーラーではロードテストと空ぶかしを実施。ただし、このとき症状は再現せず、警告灯も点灯しませんでした。
そのうえで「前回の症状からも限りなくインジェクターが怪しい」との判断で、2回目のインジェクター交換の方向で作業を進めていただくことになりました。
ひとつ整備側と共有したのは、空ぶかし(無負荷)では、負荷がかかったときに出る息継ぎは再現しにくいという点です。今回の症状は3,000回転付近で「負荷をかけたとき」に出るタイプなので、再現には5速以上・3,000回転以上で実際に加速して負荷をかける必要がある――この条件を伝え、次回症状が出たら点灯直後にXentryでデータ(フリーズフレーム)を残してもらうようお願いしました。
なぜインジェクター不具合は繰り返すのか ― 原因の考察
新品に交換しても短期間で再発し、しかも失火する気筒が4番から1番へと移動している――この場合、疑うべきは「インジェクター単体の当たり外れ」だけではなく、その上流にある原因であることが少なくありません。インジェクターを傷める「きっかけ」が別にあると、新品に替えても同じところへ戻ってしまうからです。
現時点で考えている仮説は次のとおりです。
- 3,000回転付近の息継ぎ(高温・高速・高負荷時)で燃料系に過度な負担がかかっている可能性
- O2(ラムダ)センサーや燃料補正のズレによる、噴射制御の乱れ
- 燃料希釈(オイル希釈)などの二次的な要因
- 供給されたインジェクターのロット起因
C63 S Eに積まれるM139Lエンジンは、最大約350 barの高圧直噴。インジェクターの精度がシビアなだけに、上流側の条件の影響も受けやすいエンジンだと考えています。
メーカーのソフト対策・サービスキャンペーンの可能性
3,000回転付近の息継ぎについては、他のオーナーからも同様の声があり、メーカー側もソフト(制御)面での対応を進めているという情報があります。
調べてみると、206/232プラットフォーム・M139エンジン・2023〜2024年式を対象としたECUソフトのサービスキャンペーン(24P5496440)が存在していました。内容は「走行プロファイルの計算やラムダ(O2)センサーの診断ルーチンに関わるECUソフトの更新」というもの。これが「息継ぎ対策」と同一のものかどうかは要確認ですが、対象条件が一致するため、自分の車が対象かをVINでディーラーに確認する予定です。
同じ症状が出たら ― オーナーとしての対処メモ
以下のようなサインが出たら、早めの入庫をおすすめします。
- エンジンチェックランプの点灯
- 3,000回転付近・加速時の息継ぎ、トルクが一瞬抜ける感覚
- アイドリング時の微振動
特に「再始動すると消える」タイプは、警告の記録も消えやすいのが厄介です。点灯した直後にXentryでフリーズフレームを取ってもらうことが、原因特定の近道になります。また、失火を放置すると触媒(キャタライザー)を傷めるおそれがあるため、チェックランプが点滅しているときは特に無理をしないことが大切です。
まとめ ― 「交換」より「根本原因」を
走行約12,000 kmでのインジェクター不具合の再発。2回目の交換で目先の症状は改善する見込みですが、繰り返す以上は「なぜ壊れるのか」という根本原因を突き止めたいと考えています。
新車保証(メルセデス・ケア)の期間内なので費用面は安心ですが、大事なのは違和感を放置せず、症状が出たその瞬間のデータを残すこと。同じC63 S Eに乗る方、これから検討する方の参考になればと思い、経過を記録に残します。原因の続報はまた追記予定です。
