初めまして。免許返納支援サービスSOTSUMEN|卒免 をご覧頂きありがとうございます。
運営元株式会社Car Pear 代表の筒見憲介と申します。
なぜ、SOTSUMENを作ったのか、ビジョンを踏まえてご紹介したいと思います。ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いです。
きっかけ|祖父免許返納への苦悩
SOTSUMENを考え始めたのは2019年1月ごろ。正月の挨拶回りの際に祖父母の家にお邪魔しました。
私自身車で伺ったのですが、その時祖父が「うちの駐車場使っていいよ、車どけとくから。」と言ってくれました。
祖父は85歳。耳も遠く足腰も弱っています。おぼつかない状態で駐車場に行き車をどかしてくれました。
この時、「このまま運転させておくのは危ないかもしれない」と思ったのを覚えています。
その日の夜、意を決して祖父に聞いてみました。
「そろそろ年も年だし車降りたほうが良いんじゃない?」
そうすると祖父はこう答えました。
「俺はまだまだ元気出し大丈夫。迷惑は誰にもかけてないし。」
明らかに運転が危ない状況だと思ったのですが、祖父はどこ見ぬ顔。こちらも「どうせ自己責任だし」と思ってその場は終わりました。
しかし、祖父母宅を訪ねてからそのことが気がかりになっていました。
「放っておくこともできるけど、もし何か起こしたらただじゃすまないよな。」
「免許返納のメリットが多いことを知らないだけなんじゃないか。」
徐々に自分ごと化するようになりました。
自分でも高齢者事故について調べるようになり、その悲惨な現実を目の当たりにしました。
特に心に刺さったのは稲垣聖菜さんの事故。
加害者(80)は、浦和駅徒歩7分の自宅から70歳の妻を駅に送る途中、事故をおこしました。道路を横断し道路左側を歩く聖菜にむかってハンドルを切り、アクセルを踏み続け、渋滞で停車している車にかすって、道路脇の駐車場に突っ込みました。駐車場の鉄パイプと車にはさまれ、押し潰された聖菜は、亡くなりました。
https://seina.jp
苦しい思いをして亡くなられ、遺族も加害者が老死してしまい、怒りの矛先を失ってしまう。
こんな悲惨な事故は2度と起こってはいけない。仮に運転者本人の責任だとしても、家族には「免許返納」という手段を伝える義務がある。そう強く想い、SOTSUMENの検討を始めました。
確信に変わった2019年の事故
SOTSUMENの検討中、悲惨な事故が相次ぎました。池袋親子2人死亡事故と、大津市園児2人死亡事故です。
池袋の事故では医師から運転を止められていたにも関わらず無視し、結果的に親子2人の尊い命を奪いました。
また、大津市の事故では、直進車が全く見えていなかった右折車によって2人の命が奪われました。
この事故が関係して、都内ではGW明けの3日間でいつもの2倍、1,200人が免許返納しました。
SOTSUMENの検討をはじめて4ヶ月、自分のやっていたことは間違っていない、早く出さなければいけない、と使命感に駆られました。
SOTSUMENの想い
SOTSUMENには2つの想いがあります。
1つ目は、シアワセなセカンドライフを送る手段の1つに免許返納を選んでほしいこと。
免許返納者が増えたとは言え、そもそも免許返納の認知が低かったり、検討する人は少ない状態です。私達のサービスによって、「卒免するのも1つの手だね」と、検討材料の1つに上げてもらいたいと思っています。
2つ目は家族全員で高齢者の免許返納を継続的にサポートして欲しいこと。
高齢者本人だけでは、なかなか意思決定出来ない状態。そこを家族で話し合って解決して欲しい、そして免許返納後も継続的に次の運転世代がサポートできる様にしたい。この様な想いをこめています。
SOTSUMENの今後
今回のリリースによって、「卒免する」ことを選ぶ人も出てきます。その一方で卒免したくてもできない人もいます。
地方では車がないと、スーパーまで徒歩1時間、バスは2時間に1本など、車が無いと生活に支障をきたす場合もあります。
地方でなくても駅から徒歩20分の住宅地など、首都圏でも車がなくては大変な地域は多いです。
この様な方から言わせてみれば、「頭ごなしに免許返納を押し付けるけど、したところで生活できない」となってしまいます。
私達は今回のサービスで免許返納を強制するつもりは決してありません。しかし、SOTSUMENを通して、行政などが『より良い車社会の創出』に向けて動き出してくれる、きっかけの1つになれればと思っています。
「卒免って考えた?」こんな会話が当たり前のようにされる社会づくりができれば幸いです。
株式会社Car Pear 代表 筒見憲介