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【C63 S E …
メルセデスAMG C63 S E Performance(F1 Edition)を所有して約1年9か月。
走行距離はわずか6,000km。ある朝、突然エンジンがかからず、警告灯が点灯、ギアも動かない――。
診断の結果は「12Vバッテリー上がり」。
しかし幸いなことに、新車3年保証(メルセデス・ケア)内で無償交換してもらうことができました。
この記事では、実際にどんな経緯で不具合が起き、どうして保証でカバーされたのか、そして再発を防ぐためのポイントを詳しく解説します。
■ 不具合の発端:突然の警告灯とギアロック
前日までまったく問題なく走行。
夜にPHEV充電を行った際、アプリ「Mercedes me」で「充電開始→停止→再開」と繰り返し通知が届く違和感がありました。
翌朝、エンジンを始動すると下記のエラーが表示。
- アクティブブレーキアシストが制限されます
- エンジン警告灯が点灯
- ギアがPから動かない(ロック)
この時点で完全にフェイルセーフモード。電装系が制御を切って車を保護していた状態でした。
■ ディーラー診断の結果:「12Vバッテリーの電圧低下」
搬送後、ディーラーで診断してもらうと原因は明確でした。
「12Vバッテリーが上がっており、通信系や制御系が正常に動作できなくなっていました。
高電圧バッテリー(HV)は問題ありません。」
同時に、「スリープ遷移不良(通信モジュールが常時起動していた形跡)」や「OTAアップデートの条件未達」もログに残っており、
通信と電源の両方に不安定な挙動が発生していたとのこと。
■ 登録2年以内でもバッテリーが上がる理由
一般的に、12Vバッテリーは3〜5年が寿命と言われます。
しかしC63 S EのようなPHEV+高電装システムでは、以下の要因で2年未満でも劣化・上がりが発生することがあります。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 常時通信負荷 | Mercedes meやGuard360°など、駐車中もデータ通信を続けるため放電が進みやすい |
| スリープ遷移不良 | 通信モジュール(OCU)が眠らず、暗電流が流れ続ける |
| DC-DC補電の頻発 | 高圧→12V補電の繰り返しによりバッテリーが過熱・劣化 |
| 短距離・停止走行が多い | 充電サイクルが偏り、BMSの学習が進まない |
つまり、走行距離が短くても、電装負荷が高いと劣化は早まるのです。
■ メルセデスの保証対応:新車3年以内は無償交換の対象
ディーラーの判断は迅速でした。
「登録から2年未満、メルセデス・ケア(新車3年保証)範囲内なので、バッテリーは無償で交換いたします。」
通常、バッテリーは「消耗品扱い」となるケースもありますが、
今回のようにシステム上の不具合(スリープ制御の異常や電圧イベント)に伴うものは「製品保証扱い」として交換対象となります。
実際の対応内容
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 作業内容 | 12Vバッテリー交換+制御ソフトアップデート |
| 費用 | 無償(保証範囲内) |
| 時間 | 約1日(診断+交換+リセット含む) |
| 交換理由 | 電圧低下フォルト履歴+スリープ遷移不良記録あり |
このように、「単なる寿命」ではなく「制御要因による電源異常」と診断されれば、保証対象になる可能性は十分あります。
■ アップデートでスリープ挙動も改善
バッテリー交換と同時に、制御関連ソフトのアップデートも実施されました。
内容は主に以下の3点。
- 通信モジュール(OCU)のスリープ制御ロジック更新
- BMS(バッテリーマネジメントシステム)の補電タイミング最適化
- DC-DCコンバータ制御改善
結果として、
- アプリのリアルタイム更新が止まり、30分間隔に戻る
- 駐車中のSOC(充電残量)減少がなくなる
- OTAアップデートが正常に実行できるようになった
と、車両の「寝付き」が明らかに改善しました。
■ 保証適用されるためのポイント
実際に対応を受けて感じた「無償交換にしてもらうためのポイント」は以下の通りです。
- 登録日から3年以内(メルセデス・ケア有効)であること
- フォルト履歴や電圧低下記録が残っていること
- 使用環境が正常(過放電や改造がない)であること
- 症状発生時のログやアプリ記録を提示できること
特に「Mercedes meアプリの更新履歴」や「充電停止通知の連続」は、ディーラーが原因を判断する上で有効な情報になります。
■ バッテリー上がりを防ぐためにできること
C63 S Eのようなハイテク車では、予防管理が何より大切。
ディーラーにもらったアドバイスをまとめると、以下のようになります。
| 対策 | 効果 |
|---|---|
| 週1回・30分以上の走行 | BMSが充電サイクルを再学習 |
| 駐車時にダブルロック | 通信モジュールを強制スリープ |
| 週1リブート(音量+電源ボタン10秒) | MBUX・通信系のフリーズ防止 |
| 充電通知の異常を確認 | スリープ不良の初期サインを見抜く |
| 長期駐車時にトリクル充電 | 放電を防止し電圧安定化 |
■ まとめ:バッテリー上がりは「早期発見×保証活用」で怖くない
今回の経験をまとめるとこうなります。
- 登録2年未満でもバッテリー上がりは起こりうる
- スリープ制御不良や通信モジュール暴走が原因なら保証対象
- 新車3年保証(メルセデス・ケア)内なら無償交換可能
- アップデートで再発リスクを大幅に低減できる
PHEVやE-Performanceモデルは繊細ですが、
正しいメンテナンスと保証制度の理解があれば、安心して長く乗り続けられます。


